この記事では、近年需要が高まっている「TikTok(ティックトック)マーケティング」について、基礎知識からおすすめの戦略まで幅広く解説をしています。
TikTok(ティックトック)とは?
TikTok(ティックトック)とは、15秒~3分の動画作成・投稿が可能な動画プラットフォームです。中国発祥のSNSで、ByteDance社が運営をしています。
TikTokの特徴
TikTokの特徴は「ショート動画」「高精度なアルゴリズムによるおすすめ機能」です。
ショートムービー
1つ目の「ショート動画」ですが、これまでYouTubeなど最大手動画プラットフォームに上がる動画は大体数十分が主流であり、ショート動画などはむしろ少ない傾向にありました。
しかしSNS時代になり情報が飽和状態になったことでユーザーは、情報の取捨選択スピードが速くなりました。
今までのように1つのコンテンツに長時間をかけて判断するのではなく「切り抜き(抜粋)」された動画や情報をもとに、「その動画や情報の続きを知る」か「他の動画や情報に移る」といった行動が主流になってきました。
そのためTikTokのような、要点がまとまっている「ショート動画」は現代のユーザーニーズを満たしており需要が高まっています。
高精度なレコメンド機能
TikTokのもう1つの特徴が「高精度なレコメンド機能」です。
これは、ユーザーが普段TikTok上で行う行動(検索、いいね、動画視聴時間など)にもとづき、ユーザー1人1人に最適な投稿をおすすめ表示する機能を指します。
TikTokは大きく分けて2つの閲覧カテゴリがあり1つが「フォロー中」、もう1つが「おすすめ」と呼ばれるカテゴリになり、アルゴリズムによってレコメンドされた投稿は「おすすめ」というカテゴリで閲覧をすることが出来ます。
TikTokはそのAIアルゴリズムによるレコメンド機能が高精度と言われており、実際ユーザーもTikTokのおすすめ機能のクオリティの高さを実感していると考えられます。
株式会社アイズが行ったアンケート調査によると「TikTokで動画を見るときに「おすすめ」と「フォロー中」どちらで観ますか?」という質問に対して、85%のTikTokユーザーが「おすすめ」を閲覧する、と回答しています。
ここからTikTokのレコメンド機能がユーザーの満足度を高めていると考えられ、それがTikTokの強みになっていることが分かります。
TikTokユーザーデータ
App Annieのデータによると2021年8月時点でTikTokのMAUは約1700万となっています。2019年8月は約1000万だったので、2年で約700万もMAUが増加していることが分かります。
(参照元:「2021年に活用を始めないと乗り遅れる」電通天野氏に聞くTikTok活用の今)
またユーザー属性も、以前までは「TikTok=若者が利用するSNS」というイメージが多かったですが、現在TikTokのユーザーの平均年齢は34歳のため、徐々に幅広い世代に利用されるSNSと変化していることが分かります。
TikTokがマーケティングで注目されている理由
TikTokがマーケティングで注目されている理由は「購買行動に繋がりやすい」という点です。
株式会社アイズが行ったアンケート調査によると「TikTokを利用するメリットを教えてください。」という質問に対して、67%のユーザーが「新しい発見がある」と回答をしています。
これには現代ユーザーならではの特徴が関係しています。現代ユーザーは、スマートフォン情報を使えば情報は簡単に入手出来たり、昔とは違い「オンラインショッピング」でどこにいても欲しいものが入手できるような状態です。
そのため、現代ユーザーは何事においても「それなりに知っている、満足している状態のため、能動的に新しい情報収集はあまりしていない。」というのが仮説として考えられます。
しかし、レコメンド機能が高精度なTikTokは、ユーザーの好みに合った投稿を的確におすすめしてくれるため、ユーザーがまだ知らない「新しい情報を発見させてくれる」という点が認知+購買意欲の創出に大きく貢献しています。
そういった背景から、企業も続々とTikTokマーケティングに参入をしており、中にはTikTokがきっかけで品切れになるほど売上を上げた「TikTok売れ」という言葉が生まれました。
「TikTok売れ」は、2021年日経トレンド1位を獲得をしており、いかにTikTokが消費行動、マーケティング両方に与える影響が大きいかが分かります。
主なTikTokマーケティング3つの手法
①TikTokクリエイター(インフルエンサー)プロモーション
TikTokクリエイタープロモーションとは、TikTokクリエイターに商品やサービスを体験し、その様子をTikTokクリエイターに動画作成/投稿をしてもらうことで、認知拡散を図るプロモーションです。
TikTok上で投稿を行いユーザーから絶大な信頼を得ているユーザーのことを「TikToker(ティックトッカ―)」と言います。また最近では「クリエイター」という呼び方も主流になりつつあります。
TikTokクリエイターの強みは「ユーザーを惹きつける動画作成能力」と「Z世代からの支持が厚い」という点です。
実際、TikTokクリエイターによるプロモーションは、他のSNSのプロモーションよりもエンゲージメントが高い傾向にあり、ユーザーに受け入れられやすく費用対効果が高いプロモーション方法と言えるでしょう。
②TikTok広告
TikTok広告は、TikTok上で広告配信を行うことを指します。
TikTok広告は、「おすすめ」のフィードに掲載がされます。フォーマットは、「9:16の縦型動画」「1:1のスクエア動画」「16:9の横型動画」の3つから選択が可能です。
さらに、TikTok広告は同時に「BuzzVideo」「Pangle」といった他のプラットフォームにも広告出稿が可能です。
TikTok広告は、TikTokクリエイターのプロモーション動画と同様にユーザーに好まれる傾向があります。実際「TikTokで流れる広告はつい見てしまう」と感じているユーザーは多いそうです。
③公式TikTokアカウント運用
TikTok公式アカウント運用とは、企業やブランドのアカウントを活用して認知拡散やユーザーとのコミュニケーションを図ることを目的としています。
アカウント運用の目的は認知拡散だけでなく、採用広報や、直接の購買など幅広く対応しています。TikTokはZ世代の若者が多く利用しているため、Z世代がターゲットの商材を扱っている、採用の募集が集まらなくて困っている、といった場合TikTokのアカウント運用はとてもおすすめです。
【手法別】TikTokマーケティング3つの戦略
①TikTokクリエイターにPR動画を作成・投稿してもらう
TikTokクリエイターにPR動画を作成して貰うことで、ユーザーに刺さりやすくなります。
クリエイターを起用した施策を行う時のポイントは2つあり、1つが「クリエイターの選定」と「クリエイターとの認識のすり合わせ」です。
クリエイターの選定
1つ目の「クリエイターの選定」についてですが、これまでのインフルエンサーマーケティングでは、「影響力がある=フォロワー数」のイメージが強かったかと思います。確かに、フォロワー数が多ければ多いほどその人のタイムライン上に投稿が露出されるため認知に繋がります。
しかしTikTokは前述した通り、ユーザーはTikTokを利用する時の表示設定を「おすすめ>フォロー中」にしています。
そのため重要なのはフォロワー数よりも、アルゴリズムに影響を与えるエンゲージメント(いいね!、コメント数、視聴時間完了率)をユーザーから獲得できる、クオリティの高いコンテンツを作成できるクリエイターを起用することで、多くのユーザーに認知させるだけでなく、同時にユーザーの心を強く惹きつけて購買行動に結びつけることが可能になります。
クリエイターとの認識のすり合わせ
質の高いクリエイターを起用しただけで満足をしてしまうのは要注意です。
コンセプトをしっかりと定めつつ、クリエイターの“旨み”を取り入れることで、ユーザーの「共感」を生むPR投稿が生まれます。
例えば、冒頭部分はユーザーが入りやすいように、クリエイターがオーガニックで行っている投稿スタイルを採用しつつ、訴求したい商品やサービスのポイントを途中から組み込むことで、ユーザーの抵抗感を減らすことが出来ます。
そういったクリエイティブ作成のためには、クリエイターの力に頼り切るのではなく、広告主側の要望を事前にしっかりと伝えることが重要です。
動画作成終了後などに、付け加えの要望や度重なる修正依頼はクリエイターの負担にもなってしまい、場合によっては追加費用が必要になる可能性もあります。
そういったリスクを事前に回避するためにも、クリエイターとの認識のすり合わせはしっかりと行うことをお勧めします。
https://trami.jp/markebook/tiktokinfluencer2022/②TikTok広告で認知や購買の促しを行う
TikTokはユーザーの利用時間が平均約1時間/日と、多くのユーザーの生活に浸透しているSNSと言えます。そのため、TikTokで広告出稿を行うことで、ユーザーに自社商材の認知をしやすくさせることが可能です。
さらに、2020年には「世界の消費者が好むデジタル広告プラットフォーム」で1位を獲得しており、TikTok広告は認知だけでなく「受容されやすい」という点でも、とてもメリットが高いSNSと言えるでしょう。
またTikTok広告では、クリエイターが投稿した動画で広告配信を行うことも可能です。クリエイターのPR投稿だけでは賄えなかったユーザーに、質の高いコンテンツを配信することができるので、ユーザーの取りこぼしを防ぐことに繋がります。
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③トレンドを活用した公式アカウントの運用
TikTok公式アカウントを活用して爆発的拡散が行われ、大きな収益アップや採用に繋がった企業が増えています。
InstagramやX(旧Twitter)などの他SNSと比較して、TikTok公式アカウントを運用している企業はまだ少なく、競合他社との差別化が可能です。
戦略のコツとしては「トレンドを活用した投稿」です。TikTokの大きな特徴の1つですが、使用される楽曲やダンスやネタなどは、その時々のトレンドであるケースがとても多いです。
現在のトレンドは、人気急上昇中のハッシュタグやエフェクトという形で、トレンド欄で一覧で見ることができ、多くのユーザーがそれにまつわる投稿を行っています。
そのためトレンドを活用した投稿を行うことで、ユーザーの目に触れる機会が増えると考えられます。
ただトレンドを取り入れた投稿だけでは、他の動画との差別化ができない可能性もあるので、自社にしかできない強みを取り入れてユーザーからの「共感」を得ることも1つのポイントです。
TikTokマーケティングのメリット
①エンゲージメント率が高い
TikTokは他のSNSと比較して、エンゲージメント率が高いのが特徴です。
米のインフルエンサー・マーケティング会社CreatolQの調査によるとTikTokのエンゲージメント率は11.83%(Twitter・Facebook0.01%、Instagram0.35%、YouTube2.75%)で、他のSNSと比較して圧倒的にエンゲージメント率が高いことがわかります。
「エンゲージメント率が高い=拡散されやすい」ため、マーケティングにおいてとても大きなメリットと言えるでしょう。
②ユーザーの視聴時間が長い
TikTokによると、TikTokユーザーの平均視聴時間は67分と発表をしており、ユーザーは日々の生活の中でかなり長い時間をTikTokで過ごしていることが分かります。
視聴時間が長い傾向の理由としては、優れたAIによって選出されたおすすめの動画が、ショートムービーで、次々に流れて表示されるため「飽きが生まれにくい」という特徴が起因していると考えられます。
ユーザーの離脱が低いため、マーケティング戦略においてとても有効的な特徴といえるでしょう。
③認知向上しやすい
前述でも度々解説していますが、TikTokは「高精度なAIによるアルゴリズム」が大きな特徴です。
拡散力と言えば「X(旧Twitter)」のイメージが湧きやすいですが、TikTokは「リツイート」機能がなくても、エンゲージメントが増えれば増える程、アルゴリズムによるレコメンド機能によってX(旧Twitter)並み、もしくはそれ以上の拡散が行われます。
そのためアルゴリズムの仕組みや、動画作成のコツを理解して運用を行うことで大きな認知向上の実現に繋がります。
④フォロワー数が少なくても認知させることができる
TikTokは、サービスの特性上フォロワー数が少なくても認知させることができるのがメリットの1つです。
InstagramやX(旧Twitter)といった、アカウント運用で最初のフォロワー獲得が難関ですが、前述でも解説したように、TikTokは「フォロー中」のタイムラインよりも、「おすすめ」のタイムラインで閲覧するユーザーが圧倒的に多いため、初期段階のフォロワー獲得に工数をかける必要はありません。
今までのSNS運用で、フォロワー獲得にかけていた工数を他の「クリエイティブ作成」や「トレンド調査」に時間をかけることができるので、運用担当者にはとてもありがたいメリットといえるでしょう。
TikTokマーケティングのデメリット
①炎上のリスク
TikTokはアルゴリズムによって拡散がされやすいからこそ、炎上にも繋がりやすいSNSです。
アルゴリズムは、「ユーザーからの反応」をもとにレコメンドを行っています。例えば、ある企業が投稿した内容が不適切でユーザーに不快な思いをさせてしまった場合、ユーザーはコメントを行ったり、シェアを行ったりします。それもまた「エンゲージメント」として換算されるため、思ってみない形で「おすすめ表示」がされて炎上してしまうのです。
そういった事態を防ぐためにも、運用は1人だけで行わず投稿前にWチェックを行うなど管理体制を整えることが必要です。
②ターゲットが限定されやすい
TikTokは他のSNSと比較すると、10代・20代の若者が多く利用しています。
若者向けの商材や、サービスの場合マーケティング効果は高いと言えますが、それ以外の年配層に向けてTikTokを活用するのは難しい可能性があります。
しかし、年々TikTokの平均年齢が上がっていると公式からの発表もあり、世代間のバランスの改善がされていると考えられるため、今後の展望が期待されます。
TikTokマーケティングの活用事例
目的:地域活性化
@ojiqun 岡山県自然保護センターのタンチョウ鶴に会ってきたよ?#おじキュン!#岡山 #和気町 #おすすめ#おバズりなさい ♬ My Name Is – D Billions
岡山県和気町の魅力を発信するために、「おじさん4人組」が出演するTikTokが大きな話題を集めました。
岡山市の白瀬琢臣さん(52)、大富謙司さん(51)、山本稔さん(67)、神崎良一さん(65)は「おじキュン!」の名称で、TikTokで和気町の魅力を伝えるPR活動をしています。
“おじさん”がダンスを一生懸命に踊る姿はとても可愛らしくほっこりします。そして2022年3月に投稿された「県自然保護センター」(和気町藤野)での、当時TikTokでも人気だったトレンド曲「My Name is」に合わせてダンスを踊った動画は、1,600万回の再生を記録しました。
ユーザーからのコメントでも「可愛いすぎる!」「一見厳しそうな方たちがこうやってTikTok踊るのめちゃくちゃかわいいしギャップが微笑ましいです!!」とコメントは約19,600件も寄せられており、大きな認知効果があったと見受けられます。
この事例のポイントは、TikTokのターゲット層とは真逆の“おじさん”がダンスを踊ることによる「目新しさ」と「ギャップ」が若い世代のユーザーに刺さり、大きな拡散が行われたと考えられます。
意外性でユーザーの心を掴み、地域活性化に大きな貢献をしたことが分かる事例です。
TikTokマーケティングを活用して売上アップを狙う!
いかがでしたでしょうか?TikTokは今最も勢いのあるSNSといっても過言ではないほど、その影響力は大きいものです。さらにまだブルーオーシャン状態なので、参入すれば地位を確立することも可能です。
TikTokマーケティングを成功させるコツの1つが「複数のマーケティング手法を組み合わせる」というものです。
株式会社アイズの「インフルエンサー×TikTok広告プラン」では、TikTokクリエイターを活用した認知拡散を行うことが可能です。
プラン概要はTikTokerをキャスティングして商品やサービスを体験した様子をPR投稿させて、更にその投稿を活用してTikTok広告でブースト配信することで、TikTokクリエイターのフォロワーではカバーし切れなかった層に対しても広告配信が可能なので、多くのユーザーに情報を届けることができます。
詳しい内容については下記の資料請求ボタンからお問い合わせください。