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【2024年】ファンベースマーケティングとは?戦略や成功事例を解説

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ファンベースマーケティングとは?

ファンベースマーケティングとは、自社やブランドのファンを大切にしながら、ファンをベースにして、中長期的に売上拡大やブランド価値を上げていくマーケティング手法を指します。

そのため、新規顧客獲得ではなく既存顧客維持に比重を置くため、新規獲得重視の従来のマーケティング手法とは大きく異なります。

なぜ今ファンベースマーケティングが注目されているのか

①既存顧客で売上が作れる

日本に人口は2009年以降、減少し続けています。これは、この先の購買人口も減ることを意味しています。

また新規顧客は母数で既存顧客を大きく上回りますが、新規顧客は離脱率も高く、獲得コストも既存顧客維持の5倍と言われており、リスクだけでなくコストパフォーマンスの面でも懸念点が多いです。

そういった背景からファンベースマーケティングは、コストを安価に抑えながら大きな売上を作れるマーケティング戦略と言われています。

②売り上げが安定する

ファンを大切にすることで、顧客の離脱を防ぐことに繋がり長期的に購入をする顧客が生まれるため、売上が安定します。

また有名なマーケティングの法則で「パレートの法則」(別名:ニハチの法則、8:2の法則)と呼ばれるものがあります。これは上位20%の顧客が全体売上の80%を創出しているという考え方です。

つまりファンを大切にして顧客維持をさせることで、全体売上の80%ほどは安定することになり、ファンベースマーケティングは売上維持の面でもとても効果的です。

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③情報過多社会になったため

インターネットやSNSなどデジタル技術の発達により、人々は大量な情報を能動的に動かずとも受動的に手に入るようになりました。そのため、ユーザーに認知してもらうことも何かしらの施策が必要なほど情報戦になっています。

しかし認知をしてもらったとしても、新たな他の情報は日々ユーザーの中に取り入れられ続けていくため、せっかく情報が届いたとしてもそれは一過性にすぎず、その先覚え続けてもらうというのがとても大きな課題です。

そのため、SNSやテレビで話題になっても「話題になっただけ」で、中長期的に効果が出ずにユーザーには忘れ去られてしまう「成功したはずなのに失敗」状態になってしまいます。

そこで自社のファンを大切にして顧客維持をしていくことで、認知施策に大きな投資をせずとも売上を伸ばすことのできるファンベースマーケティングは、情報過多社会にも適したマーケティング戦略になります。

④日本の市場が成熟市場になったため

成熟市場とは、多くの商品が高い普及率を示している成長期を超えた市場の状態を指します。日本では1980年代以降、成熟市場となっています。

一見成熟市場は、幅広い選択肢が生まれユーザーにとって喜ばしく、購入割合も増えるイメージを持ちがちですが、実際はそうとも限らないと言われています。

コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授の「ジャムの法則」では、選択肢が多いことでユーザーの商品購入決定機会を損失していると発表をしています。

この実験内容は、スーパーマーケットでジャムの試食販売を行い、被験者を2グループに分けてそれぞれでジャムの「種類」を6種と24種から選んでもらうように実験を行いました。

結果、試食後に購入した割合は6種類のグループが30%、24種類のグループが3%と、コンバージョン率が10倍も差が出ました。

ジャムの法則

この実験から、選択肢が多すぎるが故に選ぶことに悩んでしまうだけでなく、選んだ時に他の選択肢の方が良かったのではと迷いを生んでしまうことから、購入を決め切れず辞めてしまうユーザーがいる可能性が分かりました。

この法則は、今の日本の成熟市場にも通ずるものがあります。通販サイトや、ショッピングモールでは商品が溢れかえり、その中から選び出すのにも一苦労です。

それだけでなく、現代の人は「先行き不透明な経済状況で消費行動に対して消極的、かつ損をしたくない」という思考の特徴があり、購入前には口コミを確認したり、他社や類似商品との比較を行ったりと年々購入に対して慎重になっている傾向があります。

新規顧客は「商品選択」からスタートであり、ジャムの法則をもとに考えると、この選択肢が多い現代で新規顧客の獲得することは難易度を増してると考えられます。

その反面、ファン(既存顧客)は「既に商品を買ったことがある」という点で、企業にとって存在価値が高く、ファンベースマーケティングが成熟市場において有効的な戦略であることが分かります。

企業とファンベースマーケティングの重要性

ファンベースマーケティングは、今後のマーケティング戦略の1つとして企業のマーケターの間でも多くの関心が寄せられています。

参照:月間宣伝会議7月号

宣伝会議が行った「国内主要企業38社広告・マーケティング部門責任者に聞く2022年度の戦略と方針」という調査において「昨今の広告・マーケティングにかかわる話題で、関心のあることを最大3つまでお選びください。」という設問で、「ファンベースマーケティング」は16票と、マーケティング投資の最適化に次ぐ関心事項であることが分かりました。

このアンケート結果から、今後さらに「ファンベースマーケティング」の重要性は高まっていくと考えられます。

ファンベースマーケティング4つの成功戦略

①顧客育成のシナリオを作る。

ファンベースマーケティングにおいて重要なのが「ユーザーのフェーズに合わせたアプローチ」です。そのフェーズの目安=顧客育成のシナリオを作ることをおすすめします。

例えば、新規顧客に対しては認知をしてもらうためにSNSでキャンペーンを開催したり、クーポン配布で購入ハードルを下げる、既存顧客にはファンコミュニティへの参加を促したりすることでブランドに対する愛着を増やしていくなど、顧客のフェーズ毎にアプローチを変えて実践していくことで、ファンを生み出すことが可能になります。

そのため、育成シナリオはファンベースマーケティングを行う前にm全体設計をしておきましょう。

①ファン同士で交流を行わせる。

ファン同士の交流を行わせることで、ブランドに対する魅力を発見することになるだけでなく、ファン目線のアドバイスで商品・サービス改善を行うことが出来ます。

大手食品メーカーの「カゴメ」では、2015年から会員制コミュニティ「&KAGOME」を開設し、カゴメのファン同士の交流を実現しました。開設に至った経緯としては、売上が伸び悩んでいた際に、打開策を見つけるべく自社の売上分析を行ったところ2.5%のコアファンが売上の30%を支えているというデータが取れ、そこからファンを重視した取り組み「&KAGOME」を始めました。

出典元:&KAGOME

同サイトでは、会員がカゴメ商品に関するレシピ投稿が行われたりなど、運営側と会員が一緒に作り上げるサイト内容になっているため「一緒にカゴメを創り上げている」というファンの意識を高めさせることに繋がっています。

それだけでなく、同サイトの会員に、座談会などでファン同士に意見を出してもらうことで、実際にその意見をもとにした商品が開発されるなど、ファン同士の交流をきっかけに様々な恩恵を企業は手にしています。

参照:カゴメが築く「ファンを夢中にさせる」戦略 わずか2.5%のユーザーに注目したワケ

②ストーリーで愛着心を湧かせる。

ファンの愛着度をより高めるために「商品のストーリー」などを開示することがおすすめです。

企業は生活者の課題解決のために全身全霊で商品やサービスの開発を行います。そのため、消費者を想って作られた商品やサービスの開発までのストーリーはファンの心を掴む要素が高いものになります。

そこで愛着心を湧かせるためにも、開発ストーリーや秘話や苦労話などをオウンドメディアやSNSを活用して発信を行いユーザーに知ってもらう事で、ファンの熱量を高めることをおすすめします。

③「ファンベース」かどうか施策の見直しを行う。

今行っている施策が「ファンベース」に則っているかどうか見直しを行い、フェーズに合わせてそれぞれのマーケティング投資を最適化しましょう。

フェーズごとのマーケティング戦略を立てることで、無駄な広告予算を削減することができます。広告予算が削減できた分は、ファンベース施策の補填に使うなどをしてバランスを整えましょう。

しかしファンベースにばかり注力をしすぎてしまうと、新規顧客獲得が全く行われなくなってしまいます。ファンベースが大事とは言えど新規顧客施策に全く投資を行わないのは、これからファンになるユーザーの損失にも繋がってしまうため、全体設計をしっかりと行いバランスの良い投資配分を定めましょう。

④中長期ベースで施策検討を行う。

ファンベースマーケティングは、キャンペーンなどの単発施策とは異なり、ファンを創り出すため中長期的な施策になります。

そこでおすすめなのが「長期的なモニターサンプリング施策」です。モニターサンプリング施策とは、一般ユーザーに商品やサービスを体験してもらうもので、ファンになるきっかけである「体験」をさせることができ、それを長期間続けていくことで、顧客を積み立てていくことになります。

さらにモニターサンプリング施策は、サービスによっては体験したユーザーがSNS投稿を行ってくれるものもあるため「ファン育成」+「認知拡散」が同時に行えます。

また投稿するユーザーは一般消費者のため、企業発信の広告などより自然な「口コミ」のような形で自社の商品やサービスについて知ってもらうことが出来る点は、とても大きなポイントです。

上記のようなメリットから、新規獲得~ファン育成まで長期間行える「モニターサンプリング施策」はファンベースマーケティングにおいて効果的と考えられます。

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ファンベースマーケティング成功事例

コメダ珈琲

出典元:さんかく屋根の下

喫茶店チェーンの「コメダ珈琲」では、ファンサイト「さんかく屋根の下」を開設しファン同士の交流を促進して盛り上がりをみせています。

元々コメダ珈琲は、創業時からリピーターやファン作りを重視しており、実際利用者層も「常連」が多いのが他のカフェチェーン店との違いでした。

そんなコアファンの多いコメダ珈琲のファンサイト「さんかく屋根の下」では、コメダファンがコメダ珈琲について語り合い交流を深める「コメダ部トークルーム」や、コメダ珈琲での一枚を投稿する「フォトコンテスト」など、ファンにとって楽しい空間が創り出されています。

出典元:さんかく屋根の下

このように、ファン同士の交流の機会や参加型のイベントを設けることで、ファンと企業が一緒にコメダ珈琲を共創していくことになり、よりファンとコメダ珈琲の結びつきを強固なものにしています。

ファンベースの戦略で中長期での売上を増やす!

いかがでしたでしょうか?今後も情報量は増え続けていき、新規顧客獲得はさらに困難を極めていくと考えられます。そのような課題を解決することが可能な「ファンベースマーケティング」についていち早く理解を深め、マーケティング戦略にうまく取り入れて売上を伸ばしていきましょう。

参考文献:佐藤尚之著  「ファンベース ━支持され、愛され、長く売れ続けるために」(ちくま新書)

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※資料抜粋
ファンマーケティングとは?成功戦略と事例、メリットを解説SNSマーケティング,おすすめこの記事では自社の商品やサービスの「ファン」を増やす マーケティング戦略について、ノウハウや事例について解説をしています!...2024-02-21 10:00:00

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