ライブコマースとは?
ライブコマースとはECとライブ配信を組み合わせた販売方法を指します。
ライブコマースとは、リアルタイムでのライブ配信を通じて、消費者と直接コミュニケーションを取りながら商品を販売する手法です。具体的には、メーカーや代理店がショップ店員やインフルエンサーを起用してライブ配信を行い、配信中に商品の使い方や魅力を紹介します。視聴者はその配信を見ながら興味を持った商品を即座に購入できる仕組みです。
中国から広まり最近では日本でも「動画での商品説明が分かりやすい」という理由で人気を集めています。
ライブコマースの特徴
ライブコマースは商品に対して興味を持っている顕在層に対して、やり取りを行いながら購買行動を促すことが可能です。
17LIVE株式会社の調査によると、ライブコマースを利用するメリットとして47.5%のユーザーが「商品について理解しやすい」と回答しています。
コロナ禍でネット購入が増える中、ライブコマースならオンラインでも店舗と同じように店員とのコミュニケーションを取りながら商品を選ぶことが出来るため、今の時代に合った販売方式と言えるでしょう。
ライブコマースのメリット
①リアルタイムの動画だから商品の良さが伝わりやすい
通常のオンライン通販の場合、参考とするのは商品の「写真」や「説明文章」がほとんどです。
しかしライブコマースはリアルタイムでの動画配信なので、商品を実際に使用している様子を見ることが出来たり、主催者側に商品についての質問をすることが出来ます。
SNSの投稿やショートムービーを活用した情報発信もプロモーションにおいて重要ですが、そこだけに収まりきらない、商品への思いやこだわりなどを伝えられるのは大きなメリットの一つです。
②商品購入の後押しが可能
ライブコマースの2つ目のメリットは「ユーザーの商品に対する疑問や不安点をその場で解消出来る」点です。
ライブコマースでは動画の配信中にユーザーから配信者側(企業やインフルエンサー)に直接「サイズ展開を教えてください。」や「カラーは何色ありますか?」などの質問やリクエストをすることが出来ます。
ユーザーにとっては、知っておきたい情報をすぐ入手できるので、認知から購入までの離脱を防げるのがメリットです。
③ユーザーボイスの獲得が可能
ライブコマースの3つ目のメリットは「配信中にユーザーボイスも獲得出来る」点です。
基本的にユーザーからの意見として獲得出来るのは「お問い合わせ」や「アンケート」など工数がかかってしまうことが多いですが、ライブコマースならチャット形式のため、配信中に気軽にユーザーからのコメントを貰うことが出来ます。
更にそれらの質問を記録することで、将来的な商品開発に役立つ可能性もあります。
④ロイヤル顧客の育成
ライブコマースの4つ目のメリットは「ロイヤル顧客の育成が可能」な点です。
ライブコマースは販売機会の場所でもありますが、ユーザーとのコミュニケーション育成の機会でもあります。
商品についての魅力を伝えられる担当者やインフルエンサーが配信を行うことで、その配信者のファンが生まれます。
そういったファンの育成を行うことで、「あの配信者が紹介していた商品だから購入しよう」「次の配信も観たい」といった風に、販売促進やブランディングの面でも大きな効果を生むことがあります。
ライブコマースのデメリット
①トラブルが起きる可能性がある
ライブコマースはリアルタイムでの配信のため、「配信機能の操作方法が分からなくて、タイムロスをしてしまった」「不適切な発言をしてしまった」などの、何らかのトラブルが起きる可能性があります。
そういったトラブルは大きな炎上にも繋がる可能性があるので、事前にライブ配信の際のルールや台本などを作成しておき、不測の事態にも対応出来るよう体制を整えておく必要があります。
②運用負担が大きい
ライブコマースは運用負担が大きいです。配信者の選定や台本の作成、購入導線の整備、対象商品の選定など様々な事前準備が必要です。
またライブ配信を行った直後は購入が増加されることが見込めるので、それに対応できるようECの運用整備をする必要があります。
前述でも述べた通り、ライブ配信は本番勝負のためトラブルが起きやすいという点から、運営には細心の注意を払う必要があります。
ライブコマースが出来るライブ配信サービス一覧
ここからはライブコマースが出来るおすすめサービスをご紹介します。
SHOWROOM
SHOWROOMは人気のライブ配信サービスです。
SHOWROOMは登録者数は約700万人(※推定)と言われています。
(参考:ライブ配信アプリの登録・利用ユーザーのランキング一覧表について徹底解説)
またSHOWROOMでは2021年に地方の特産物を買えるよう配送業者大手のヤマト運輸と業務提携を、2022年には家電量販店大手のビックカメラと業務提携を結び独自の強みを持ったライブコマースを展開しています。
参考:SHOWROOM
Hands UP
HandsUPは、人気のライブ配信プラットフォーム「17LIVE」が提供しているライブコマースです。
ライブ配信事業から得たノウハウやデータを基に、導入から定着までを一貫して行う手厚いサポートをしてくれるのが強みで、大手化粧品会社を始め、アパレルブランドなどが導入をしています。
YouTube
YouTubeは、世界中で人気のオンライン動画共有プラットフォームですが、ライブコマースの分野でも人気を得ています。
MMD研究所の発表によると、ライブコマースの視聴経験者の中で「YouTubeのライブ配信を視聴して、商品を購入したことがある」と回答した人は25.7%と他のライブ配信と比較して最も高い割合だったそうです。
(参考:Youtubeでライブコマースできるって知っていますか?利用経験数も1割強!?)
YouTubeライブ配信は無料で利用出来たり、操作方法も簡単なためライブコマースを試しにやってみたいという方にはおすすめです。
Instagramを活用したライブコマースは「ライブショッピング」と呼ばれます。
近年「インスタライブ」という言葉が浸透するほど、Instagramのライブ配信機能は使われています。
参考:https://emplifi.io/resources/blog/instagram-live-shopping
Instagramの強みは「インフルエンサー」がInstagramを拠点として活動していることが多く、そのインフルエンサーを配信者で起用することで、ファンであるフォロワーが視聴者や購入者となってくれる可能性があります。
ライブコマースを成功させるポイント
①ターゲットの明確化
まずはじめに、ターゲットの明確化を行いましょう。
この作業を怠ってしまうと「配信媒体」や「インフルエンサー」などの選定の際にミスが起こってしまい、企画自体が失敗に終わってしまうかもしれません。
ターゲットの洗い出しが終わったら、ライブコマースが出来るサービスや、SNSの選定に入りましょう。
ライブ配信の司会は、配信経験者がおすすめ
ライブ配信を行う司会(配信者)は、ライブ配信を経験したことがある人をおすすめします。
理由としては、人前で話すのが必須なので緊張してしまう人には向いていません。また、ライブコマースの特徴でもある「ユーザーとのコミュニケーション」という点も、ユーザーからのコメントを読み上げてすぐ答えられるかどうかや、視聴者を飽きさせないトーク力などが必要となってくるため、普段からライブ配信をしているような経験者に依頼をすることをおすすめします。
ライブ配信時間はターゲティング層のアクティブな時間に
ライブコマースはターゲットのアクティブな時間に配信をすることをおすすめします。
配信時間を決めるとき、自社のみで配信を行う場合は、データを参照にしたり、SNSなら自社の公式アカウントのインサイトでユーザーのアクティブ時間を判断することが出来ます。
またインフルエンサーなどを配信者に選定する場合は、インフルエンサーのフォロワーのアクティブな時間を基に配信時間を決定することをおすすめします。
ユーザーを飽きさせないライブ配信内容を企画する
ライブ配信では「つまらない」と判断されると、ユーザーは離脱してしまう可能性があります。
視聴から購入までの道筋をしっかりと確率するためにも、「トレンドの商品の紹介」「ライブ配信だけの限定クーポン配布」などのユーザーを飽きさせないライブ構成を考えましょう。
またライブ配信は途中から参加するユーザーも多いです。なので定期的に商品について紹介したりして、すべてのユーザーに商品を認知してもらえるようにしましょう。
ユーザーとのコミュニケーションをしっかりと取る
ユーザーとのコミュニケーションはとても大事です。
例えば説明に夢中になりすぎてユーザーからのコメントを無視しつづけると、「この配信は無視をされる」というように考えて、マイナスイメージを持ってしまう可能性があります。
せっかくのユーザーとのコミュニケーションの機会なので、「商品の押し売り」のし過ぎは控え、ユーザーとのコミュニケーションを図って自社の“ファン”を増やすくらいの気持ちを持って運用を行いましょう。
ライブコマースと組み合わせるとおすすめなマーケティング手法
ライブコマース×ソーシャルメディア広告
ライブコマースと組み合わせることでさらなる効果を見込めるのがSNS広告です。これはライブコマースの配信前後に、ソーシャルメディア広告(例えば、FacebookやInstagramの広告)を活用して配信の告知やリマインダーを行うことを指します。
SNS広告でターゲット層にライブ配信の通知を送ることで、適切なターゲット層に絞って視聴者数を上げることが出来ます。
さらに配信中の特典やキャンペーンを広告で事前に強調することで、特典を見た視聴者たちからのエンゲージメントを高める効果が期待できます。
ライブコマース×リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、ライブ配信の視聴者やサイト訪問者に対して配信終了後に再度アプローチをして視聴者の関心を引きつけることを指します。
ライブでは一斉に大勢の相手をしているため視聴者1人にかけられる時間が限られてしましますが、個別に再度アプローチをすることによって一度興味を示したユーザーの購入意欲を高めることができます。
それだけではなく、ライブ配信中に関心を持ったが購入しなかったユーザーを個別にターゲットとすることで商品やサービスの改善点を発見する機会ともなり得ます。
ライブコマース×口コミマーケティング
ライブコマースと組み合わせるとおすすめなマーケティング手法は「口コミマーケティング」です。
口コミマーケティングは、ユーザーの口コミを活用して認知を高める施策です。ライブコマースで商品を認知して興味関心はあるけれども、まだ購入を決め切れていない「顕在層」が、ライブ配信を見た後にSNS上で商品を検索した時、口コミが多いと商品の信頼性があると判断をして購入に至るというSNS時代の消費者行動プロセスがあります。
そのためライブコマースと同時に口コミをSNS上に露出させることで、ライブコマースで取りこぼしたユーザーの拾い上げが出来、より売上アップの可能性を高めることが出来ます。
話題のライブコマースを活用して売上アップを狙おう!
いかがでしたでしょうか?ライブコマースはコロナ禍で更に需要を高め、今後もその勢いは伸びていくとみられるマーケティング手法です。
成功のコツをしっかりと抑えて運用を行えば、その効果はとても大きいものになります。
逆に手を抜いてしまうと大きな炎上に繋がりかねないので、社内での体制を整え、気を付けながらライブコマースで売り上げアップを狙いましょう。