SNSが生活に浸透している現代において、誰もが一度は耳にしたことのあるワード「バズる」。
「バズる」は運次第と思いがちですが、実は戦略的に仕掛けることも十分可能です。今回はその戦略のために欠かせない「バズマーケティング」について徹底解説しています!
バズマーケティングとは?

バズマーケティングとは、口コミ(UGC)を活用して商品やサービスをPRする、近年注目を浴びているマーケティング手法の一つです。
バズマーケティングは、「がやがや言う、噂になる」という意味を持つ英語の「Buzz」が由来しており、昨今では「SNSで“バズった”あの商品」のような代名詞で、プロモーションが打たれていたり、消費者間でも良い意味でも、悪い意味(炎上)でも「バズっている」「バズった」というような言葉使っているのを、よく見かけるようになりました。
そういった背景から「SNS上で拡散がされるように仕組んで認知度を上げる」ことをバズマーケティングと呼ばれるようになりました。
なぜ今「バズマーケティング」が注目されているのか
前述でもお話しした通り、「バズ」という言葉はユーザーに対して大きな影響力を持っています。
その理由はユーザーにとってSNSでの口コミの重要性が大きいからです。特に10代~20代の若者は「デジタルネイティブ」と呼ばれるインターネットに慣れ親しんだ世代であったり、金銭だとリーマンショックや東日本大震災などを生まれてからずっと不景気を経験しているという点から、経済に対しては悲観的な価値観を持っており、消費に対しても「損をしたくない」と慎重な姿勢を持っているのが特徴です。
そのため現在の消費者行動では「検索をしてから購入」という行動プロセスを行うケースが多く、いかにSNS上で商品やサービスについての口コミ投稿がされているかで売上を左右するため、企業は「バズ」を利用して認知度を上げようと、施策を打っています。
「バズ」と「バイラル」の違い
「バズマーケティング」と似ているマーケティング手法で「バイラルマーケティング」というものがあります。
「バイラル」は、英語でVirus=ウイルスという意味を持っています。つまりウイルス感染のように話題が広がっていくさまのことを指します。
バズマーケティングとは?
バイラルマーケティングとの違いは、その「伝わり方」です。
バズマーケティングは「企業から人へ」人為的に生み出したコンテンツが爆発的に多くのユーザーに拡散させるマーケティング手法です。有名なバズマーケティングとしてあげられるのが、「インフルエンサーマーケティング」などです。

バイラルマーケティングとは?
一方、バイラルマーケティングは「人から人への伝達」を活用したマーケティング手法です。
有名なバイラルマーケティングとしてあげられるのが「お友だち紹介」などでサービスの会員数を増やしていく手法があげられます。

近年ではSNSの利用者が増えていることから、「バズマーケティング」が主流となっている傾向が見受けられます。
バズマーケティングの種類
①SNSキャンペーン
SNSキャンペーンとは、SNS上で行うユーザー参加型のキャンペーン手法です。Xの「フォロー&RTキャンペーン」Instagramの「フォロー&ハッシュタグキャンペーン」などが有名です。
キャンペーンに併せたキャッチーなオリジナルハッシュタグを作ることで、ユーザーが自然とそのハッシュタグを付けて投稿するようになり、SNSのトレンドインや人気投稿として表示されるケースもあります。

②インフルエンサー起用
インフルエンサーはSNSやブログ上で特定のジャンルでユーザーから多くの支持を持つ人物を指します。そういったインフルエンサーに商品やサービスを体験して、SNS投稿をしてもらうことで認知向上を狙う施策のことを「インフルエンサーマーケティング」と言います。
インフルエンサーは通常の広告よりも広告感が無いため、ユーザーに自然な形で認知をさせることが出来ます。
インフルエンサーマーケティングは、「フォロワー数が多い=認知度が上がりやすい」」という訳ではなく、商品やサービスと親和性の高いインフルエンサーをキャスティングすることの方が効果が出ることもあるので、プロフィールや投稿内容を注視しながら人選をしましょう。
広告会社などではインフルエンサーの特徴やフォロワーの傾向などを管理して最適なインフルエンサーを提示することが出来るので、相談してみることをおすすめします。
③アカウント運用
バズマーケティングの場合、拡散機能力が高い「X(旧Twitter)」や「TikTok」などを活用した公式アカウントがバズりやすい傾向にあります。
公式アカウントが発信した「面白い」「有益性」のある情報をユーザーは好んで拡散します。また人気のアカウントはフォロワーとのコミュニケーションを大事にしており、そうすることでユーザー発信の企業やブランドに対するUGCが生まれやすくなり、結果としてに認知に繋がります。
バズマーケティングのメリット
①認知向上が出来る
企業・商品・サービスに関連する口コミやオリジナルハッシュタグが生まれることで、SNS上での露出が増え、結果として認知向上に繋がります。
また拡散が多く行われることで、潜在層の目に何度も商品やサービスを認識させることが出来ます。例えば初対面の人に会った時、相手に対する情報はゼロに等しいため完全に心を開くことはないのではないでしょうか?
しかし、その後複数回接触を行うことで次第に心を許して仲良くなるのが交友関係だったり恋愛関係だと思います。これは1968年にアメリカの心理学者のロバート・ザイアンスが提唱をした「ザイアンスの法則」といいます。(他にも単純接触効果や熟知性の原則とも呼ばれます。)
この法則では長期間の間よりも短期間の間に複数回の接触をさせることで、効果をより増大させることができるとザイアンスは唱えます。

バズマーケティングで活かすためには、露出を出来るだけ自然な形で多くさせることで、まだ認知をしていないユーザーの接触頻度を増やすことに繋がり、ザイアンス効果が効きやすくなります。
あらゆるところに情報を置くためにSNS広告やインフルエンサーなど複数のSNSマーケティング施策を同時に行うことをおすすめします。
②売上に繋がりやすい
口コミはユーザーにとって有益で信頼性の高い情報なため、認知をした後に更にSNSなどで検索を行ったユーザーに対して商品やサービスの理解度を深めることが出来、「商品購入の際の後押し」となる役割を持っています。
ユーザーは購入に対して慎重な姿勢を持っているため、SNS上で商品やサービスの検索を行った時に「口コミ件数が多い=みんなが使っているから信用できる」と判断をします。そのためバズった商品は軒並み品切れや行列など大人気の状態になります。
そういったバズっている雰囲気を出すのにおすすめなのが、「インフルエンサーの起用」です。例えば飲食店について詳しくレビューを行うインフルエンサーが紹介する店舗は「おいしそうなお店」という良い印象をユーザーは受けることが多いです。
消費において「失敗をしたくない」と思うからこそ、専門的ジャンルの情報を発信するインフルエンサーの投稿は参考にされやすいのです。
また人気のインフルエンサーは、「魅せる投稿」づくりも得意です。SNSは画像や動画を使って投稿をすることがほとんどなので商品やサービスの魅力を最大限に引き出した投稿を行ってくれます。
交渉にもよりますがインフルエンサーの投稿は2次利用をして、質の良い投稿を「SNSでも紹介されました!」のように広告や自社のHPなどで紹介することも出来るので、インフルエンサーを上手く活用することで企業は効率的に売り上げアップも狙えます。
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バズマーケティングのデメリット
①炎上の可能性
バズマーケティングは、良いものも悪いものも両方広がりやすいのがデメリットの一つです。
商品やサービスの欠点が多い場合や、企業の不祥事、公式アカウントの不適切なコメントなどは炎上に繋がりやすいです。実際にちょっとしたことが大きなネガティブイメージの生成にも繋がってしまったケースは度々見られます。
こういった事態を防ぐためにも、社内でのネットリテラシーを高めるための講習や共有、アカウント運用のNGワードの設定など、施策の前にある程度の“ルール決め”を行うことが重要です。

②誤った情報の拡散
最近バズマーケティングのデメリットとして危険視されているのが「誤った情報の拡散」です。
例えばユーザーが「この商品を使うと○○の効果がある」という投稿を行って多くの拡散をされます。しかし実際はそういった医学的根拠はなく、むしろ正しい使い方ではない場合、体に害を与えてしまう危険行為となってしまう可能性があります。
そういった誤った情報も、SNSでの拡散されてしまった場合、制御がしづらいのが問題です。そういった情報が出回った時の為に、すぐさま公式アカウントで注意喚起をよびかけるなどの対策方法を決めておきましょう。
バズマーケティングの成功のコツ
①インフルエンサー起用で親和性の高い人を選ぶ
プロモーション対象商品と親和性の高いインフルエンサーを選定することはとても重要です。
例えば「飲食店巡りについて特化した情報発信を行うグルメインフルエンサー」の場合、そのインフルエンサーをフォローしているのは、「飲食店の情報が欲しい」というニーズを持っているユーザー=ターゲットであることが多いです。
最近ではピッツェリア・チェーン「シェイキーズ」が、キャンペーンと同時に複数名のグルメインフルエンサーを起用して店舗を体験をしてもらっている事例があります。
SNSはユーザーの検索や視聴傾向から趣味嗜好を判断し、それに合わせて関連投稿を「おすすめ表示」するアルゴリズムがあります。なので、グルメインフルエンサーを複数起用することで、ユーザーに複数回アプローチをさせることが可能なのです。
そうすることで前述でもお伝えした「ザイアンス効果」が発生し、ユーザーの記憶に残りやすく拡散もされやすくなります。

②複数のSNSを組み合わせた企画作り
現代のユーザーは複数のSNSを所有している人が多いです。そのため接触機会を増やすためにもそれぞのSNSの特性やターゲットを理解しながら、企画作りを行うことをおすすめします。
例えばInstagramでは、検索機能を使われるのでモニターを大量に起用して「ハッシュタグ検索」の対策を、X(旧Twitter)は拡散機能に優れているのでそのジャンルに特化したインフルエンサーを、TikTokではインフルエンサーをキャスティングしつつその投稿を使いながら広告配信を行うなど、手法は様々です。
SNSマーケティングは費用感も他のマーケティング施策よりも安価なため、組み合わせての企画作りもしやすいのが特徴です。

③ユーザーに共感を得られるもの
バズマーケティングにおいて「ユーザーからの共感」はとても大切なものになります。
まずは拡散ですが、ユーザーに「この情報は有益だ!」と認識をされ「ほかの人にも共有したい」というユーザーのインサイトによって行われます。
デラウェア、2-3房で売ってて食べ切れなそうで買うのをためらうかもですが、房のまま冷凍するだけで皮ごと食べられるアイスになるのでおすすめ。好きなときにほしい分だけ房から外して食べられて、夏のお風呂上がりの最高のおともです。皮が気になる場合は、流水に数秒さらすとつるんと剥けます〜? pic.twitter.com/yEcLWe9MDf
— 全農広報部【公式】日本の食を味わう (@zennoh_food) August 8, 2022
コメント欄では「いい事を教えて頂きました。いつも最後まで食べ切れずに勿体ないことをしてたのでこの方法を試してみたいと思います。ありがとうございます。」や「この手があったか!安心して一房買える!」などといった、感謝の言葉が寄せられています。
この投稿も、ユーザーにとって有益な情報を発信したことで「共感」が生まれ、多くの拡散が行われています。
また拡散だけではなく、SNSはエンゲージメントが高い投稿がアルゴリズムでフォローしていないユーザーに対して「おすすめ表示」されることがあり、いいね!や保存をされることで、更に潜在層へリーチをさせることが出来ます。
そのためユーザーの共感を得られるよう、親しみやすかったり独自性のある投稿やプロモーションを心掛けましょう。

バズマーケティングを取り入れて売上アップを狙おう!
いかがでしたでしょうか?バズマーケティングはSNS時代においてとても重要なマーケティング手法の一つです。
「バズる=運」と思われがちですが、実は仕掛けづくりでバズりを生み出すことも可能です。緻密な戦略立てを行ってバズマーケティングを成功させましょう!
投稿者プロフィール

- 「マーケブック」では、SNSマーケティングを中心にSNSの基礎知識から成功事例、ノウハウ、アンケートデータなどの独自性のある情報発信を行っていくことで、マーケターの皆さんにとって「SNSの世界を学ぶ参考書」となれるよう運用して参ります。